事務所理念

わたしたちの「世界」の解像度をあげていく。
「世界」の実態に近づいていく。

「社会」ってどこにあるのでしょうか?

「わたし」と「あなた」はもちろん違う人同士。
だとしたら、「わたし」と「社会」は別のものでしょうか?

わたしたちは、社会的事業に伴走していく上で、「わたし」と「社会」との関係性を別の物として捉えてしまう、つまり、二項対立の観点で捉えてしまうことには、以下のような弊害があると考えています。

  • いわゆる「支援者」向けに切り出された事実は、現場の実態とは異なる。
  • 「解決策」が展開された時にはすでに、現場が変化している。さらには「解決策」の押し付けの危険もある。
  • 「解決策」が支援者の数だけ生じ、やがては支援者同士の正当化論争が始まり、結果として現場が放置される恐れがある。
  • 課題の当事者が多数決原理に晒され続け、社会課題のプロセスがリソースの配分論に陥る。

だからこそわたしたちは、社会課題に向き合うビジネスや持続可能な仕組みを構築するためには、二項対立の観点に囚われることなく、目の前の小さな物語の一つひとつが世界そのものであるという観点から、様々な領域の個々人にとっての「世界」の解像度をあげていく作業を繰り返していくことが必要であると考えています。

Key Messages for collective impact side

ビジネス・メイキングと
ルール・デザイン

  1. 社会的事業に伴走する専門職として、私たちが意識していること
  2. ①社会課題を生んでいる構造に加担(あるいは強化)していないかという問い
  3. ②ビジネスメイキングは、法令遵守とルール・デザインの両輪が必要であること
  4. ③伴走する事業やチームにおける、Being・Doing・Philosophyの一貫性
  5. ④裸の自分を知り、受け入れ、その影響を自覚すること
  6. ⑤依頼者の可能性を信じること

事務所の特徴FEATURES

法律事務所と社会起業家向けシェアオフィスが併設した、社会変革や個人の変容のエコシステムの一端を担う法律事務所

ソーシャルビジネスの伴走業務における弁護士の役割の一例として

  • 現場と法制度との間の乖離の調整
  • 社会課題や立法事実の可視化
  • 「社会改善のツールとしての弁護士」の社会実装
  • 「当たり前」を変えていく際のダメージコントロールやリスクマネジメント
  • 全体最適のための仕組みや評価基準づくり etc…

社会をより良いものにしたいと願う人たちの日々の取り組みを、ドミノの1個1個を並べる営みと捉え、ドミノが倒れていくその過程を社会的成果や仕組み化とイメージしてみる。
1個倒せば何千、何万個ものドミノが倒れるドミノや、「こういう大きくて素晴らしい絵が現れます」、「こういうみんなが驚く仕掛けが動き出します」というドミノなら、そこに繋がる最初のドミノを倒すことの社会的意義を周囲に共有し、翻って、1個1個のドミノを並べる営みを応援してもらったり、手伝ってもらったり、あるいは、待ってもらったりすることは、並べる作業それ自体と比べれば、容易かもしれない。
他方で、ドミノを文字通り1個ずつ並べ、それをひたすら繰り返し、
しかも、さらにその先が遠すぎたり、霧がかかったりしているせいで、並べていった先にどれだけの個数のドミノや、どんな絵やどんな仕掛けに繋げられるかもわからない、というドミノを地道に並べている人たちがいたとき、社会は、その小さくて細い営みが持つ可能性を信じ、リソースを投下し、「待つ」ということができるだろうか?
それとも、そんなドミノを並べても何の意味もない、ムダだと、ドミノを蹴散らし、並べている人たちにその営みをやめさせようとするだろうか?
もちろん、時間も社会のリソースも有限で、しかも、ひたすら真っ直ぐ続くドミノのその先が、別の誰かのドミノのような大きな絵や驚く仕掛けに繋がっていない可能性は常にある。
でも、同時に、か細いドミノの連なりが、実は何千万、何億というドミノや、誰も見たことのない絵や仕掛けに繋がっている可能性もある。
少なくとも、後者の可能性を持つドミノに誰かが挑まなかったら、途中で諦めてしまったら、私たちはその先の景色を見るチャンスを失ってしまう。
のみならず、それよりもっと地道で、ゆえにもっと多彩な絵や仕掛けにチャレンジする人たちが現れなくなってしまうことさえ、あり得る。
目の前の1個のドミノが何に繋がっているのか。それがわかりやすいドミノと、わかりにくいドミノ。そんなイメージをメタファー(暗喩)としてここで皆さんに展開したのは、どちらの並べ方が今この瞬間優れているか、という話をしたかったからではなく(むしろこの点については、どちらも必要で、意義ある営みであることを前提とした上で)、前者に比べて後者にあたる光や人や応援がとても少なく、その差は縮まらないばかりか、かえって大きくなっているように私には思えるというその現状を、抽象的にでもイメージしていただきたかったからだ。
(READYFOR 認定NPO 法人なんとかなる実施のクラウドファンディング「家庭を頼れない若者の自立支援|金銭教育と貯蓄推奨プログラム、始動へ」、小野田の応援メッセージから抜粋)

代表弁護士REPRESENTATIVE ATTORNEY

日頃ソーシャルスタートアップの伴走業務をしていく中で、現場の変化にルールやシステムの側が対応できていない状況、そのルールやシステムのデザインに当事者が関われていないという状況が、災害対策の領域に限られないということも実感を伴って見えてきた。それは同時に、特別な誰かではなく、わたしたちが、わたしたち自身の手で制度や法律、ひいては経済を作っていくその過程で、弁護士が良き伴走者になれるということでもあると思っています。
引き続き、『社会課題解決に伴走する弁護士』という新しい役割を実践しながら、わたしたちの社会がわたしたち自身の力でデザインできるという実例を示していきたいと考えています。
(Ridilover Journal 2019年7月4日付け「弁護士を社会改善のツールに…気象業務法改正に向けた挑戦」記事中、小野田の発言から抜粋)

石川県出身。金沢大学法科大学院卒業。岩手県盛岡市で東日本大震災に遭遇したことをきっかけとして、東京弁護士会内有志の津波被災地訪問企画を立案し、継続的に実施。 2016年11月には業界初の社会起業家向けシェアオフィス「social hive HONGO」併設の法律事務所として弊所を本郷三丁目にて開業。 法務サポートの提供だけではなく、社会課題解決に関連する人的リソースや社会の興味関心を有機的に連携させるとともに、単純な二項対立を超えた視点を持ち込み、ルールデザイン×ビジネスメイキングという独自の伴走スタイルで、ソーシャルビジネスに横断的に伴走している。2023年末に本郷三丁目駅により近いオフィスに移転、2024年2月に「小野田高砂法律事務所」から名称変更。 https://note.com/jlseagull/